エニアグラム

「お母さん、娘をやめていいですか?」の親子関係をエニアグラムで解説

更新日:

 

 

NHKで放送されていた「お母さん、娘をやめていいですか?」が、
かなり反響を呼んでいるようですね。

友達に教えてもらって、
最終回だけ、見ることが出来ました。

 

 

「人を育てる人」を育てる 未来を創るメンタルコーチ にいみひろこです。

 

 

斉藤由貴さん演じる母、顕子と、波留さん演じる娘、美月

母は娘を愛しすぎ、娘は母の縛りからなかなか抜け出せない。

 

最終話を見ただけでも、

ここにどんな問題が潜んでいるかが、
エニアグラムによって、よくわかります。

 

誰だって多かれ少なかれ持っている
自分の思考、感情、行動のパターンが、

ちょっと行き過ぎた状態になっている時に
色んな人間関係のトラブルが生じます。

 

自分では気が付いていませんが、
多くの人はその(自分や相手の)パターンによって、
苦しんでいるのです。

 

実は、びっくりするほど的確に、
エニアグラムはそれを解説しています。

 

 

子供の人生に悪影響を与える親を「毒親」というのだそうですが、

そんな「毒親」は、

自分のもともと持つ【恐れ】から来る、思考・感情・行動のパターンに
強く【囚われ】ているのです。

 

 

ここでは、
母顕子と、娘美月のタイプのパターンについて
解説してみたいと思います。

 

母顕子 タイプ2

 

母顕子は、タイプ2

タイプ2は、一言でいうと「助ける人」

愛情深く、
困っている人を助けたり、お世話をしたりが
苦もなく出来る、思いやりの精神を持った人たち。

 

健全な状態だと、

愛情深いけれど相手の領域に入り込まず、
適切な距離を保って相手に接することができます。

人のことに意識がいきすぎず、
自分も大切にすることができます。

 

でも、不健全な状態だと、

(無意識ですが)自分が愛してもらいたいために、
人の世話をやき、助け(すぎ)ます。
ベタベタした関係を好みます。

相手の領域に入り込みすぎ、
相手と同化してしまいがち。
おせっかいと思われ、
相手が自分を嫌うようになるほどに、
嫌われないことに必死になり、
自分に依存させようともっと干渉していきます。
(自分を愛さないとどんなことになるかを思い知らせようとする)

 

タイプ2は、

心の根っこ(無意識)に、
「自分は愛されないのではないか?」
という【恐れ】を持っており、

それが恐くてたまらないので、
愛されないことを回避しようとして(愛されようとして)、
人のお世話をするように自我が形成されているのです。
そうプログラムされていると言ってもいいでしょう。

それが行き過ぎてしまうと、
健全度の低い「囚われ」の状態になります。

 

ドラマでは、
対象となる娘美月に対して、

世話をやきすぎ、
嫌われそうになると、
自分を向いてもらう(愛してもらう)ための作戦を
自我が考え出すのです。

それが、
「ママを殺して!」だったり、
娘の腕の中で泣き崩れたり
ということになるのです。

つまり、娘に
「やっぱりママから離れてはいけない(愛さなければいけない)」
と思ってもらうための行動(作戦)を
無意識に取ってしまうのです。

 

 

娘美月 タイプ6

 

一方、娘美月は、タイプ6

タイプ6は、

責任感が強く、誠実で、真剣に物事に関わる努力家です。
家族や仲間を大事にして、
人の期待に応え、信頼される人たちです。
いわゆる典型的な日本人の特徴を持ったタイプです。

 

健全な状態だと、

人も、自分自身もを信頼し、
自分に自信を持ち、
自分の人生を生きることができます。

 

でも、不健全な状態だと、

(無意識ですが)守ってもらうためには人からの信頼を得る必要があると感じ、
そのため、人の期待に応えなければと顔色をうかがいすぎ、
人のための人生を生きがちです。

自分の考えに自信が持てず、
信じようとする気持ちと疑う気持ちとの間を揺れ動きます。
どうすればいいのかがわからなくなり、
信頼できる人や考え方、組織への依存が高まります。

 

 

タイプ6は、

心の根っこ(無意識)に、
「一人では生きていけないのではないか?」
という【恐れ】を持っており、

それが恐くてたまらないので、
一人になるのを回避しようとして(信頼を得て守ってもらおうとして)、
人の期待に応えるように自我が形成されているのです。
そうプログラムされていると言ってもいいでしょう。

それが行き過ぎてしまうと、
健全度の低い「囚われ」の状態になります。

 

ドラマでは、
美月は小さいころから、
母顕子の望むような子供であり続けてきました。
(母の期待に応えてきた)

本音が言えず、いつも我慢してきました。

母からいったん離れようとしたけれど、
結局、母を見放すことができず、
また、家に戻ることになってしまいました。

 

 

とらわれに気付き、とらわれから抜け出す

 

ドラマの中で、

生徒が教師である美月にこういう部分があります。

「先生さぁ、もっと適当にやれば?
母親の期待なんて、私、裏切ったことしかないよ。」

 

 

美月がもし、タイプ6でなかったら、
同じ親(顕子)であったとしても、

もっと違った状況になっていたかもしれません。

 

この生徒のように、
母親からの期待に縛られることなく、
さっさと、出て行って、
これほどの問題にはならなかったかもしれません。

 

 

このような「毒親」との親子関係では、
もちろん、一番問題なのは親の関わり方ですが、

子供側の特徴もその関係性には大きく影響するのです。

 

 

 

美月と、恋人の松島の会話にも、それが現れています。

松島:そんなにママと離れるのが怖いの?

美月:私がいないと本当に死んじゃうかもしれない。そんな親を放ってはおけないでしょ?

松島:お母さんのそばにいる限り、きみは自分の気持ちなんか後回しにするんだよ。

美月:お母さんを拒否したあなたのほうが正しいの?ママを悲しませたくない私のほうが間違ってるの?

松島:どっちが正しいかなんてわからない。ただ、僕は母がいなくてもなんともなかったし、母だって僕のことなんか忘れて男と楽しく暮らしているよ。そんなもんだよ、それでいいんだよ。

 

 

これ、よくあることなんじゃないでしょうか?

 

親を放っておいてはいけない
親を悲しませてはいけない

そんな想い。

 

それは、大切なことだけど、

それに縛られる必要はない。

 

 

だって、松島は、母親から離れて、
結果的に、母親にとっても良い結果になりましたよね。

久しぶりに母親に会いに行った松島と母親との会話。

松島:ごめん、いちどもちゃんと返事しなくて。

母親:ううん。あれでよかったのよ。あんたに相手にされなくて当たり前だって。自分のやったこと思い知った。それで、これじゃいけないって。男の人の言うとおりになってるばかりじゃいけないって。だから、今はひとりなの。ひとりでなんとかやってるの。だから、もう会いに来なくていい。あんたに甘えたくないから。ありがとう、元気でね。

 

つまり、

親を放っておいてはいけない
親を悲しませてはいけない

というのは、たんなる思い込みに過ぎないんですね。

 

放っておいた方が良いことだってある。

 

でも、「放っておいてはいけない」と

思い込んでいるんです。

 

 

そうなんです。

毒親は何かの思い込みを持っていて、
それを子供に対して向けているのですが、

子供の方も、思い込みを持っていて、
そこから抜け出せないんですね。

 

その両方のタイプの持つ思い込みが、

その関係性を作り出しているんです。

 

 

ふたりが、そこに気付く場面がここでした。

娘美月:私はママじゃない。ママは私じゃない!
私は、臆病でずるくて、ママに嫌われたくないから、ママの顔色ばっかり気にして、ママの気にいることだけして。うまくいかないことがあると、ママのせいにして自分をごまかして。
自分の好きなこともわからなくて、平気できらいなスムージー飲んで、ワンピース着て。
ニコニコ教壇に立って。
でも、それでいいんだって。私ってこんなもんだからって。

(取っ組み合い)

母顕子:ママね、ほんとはスムージー、そんなに好きじゃないの。

(二人で泣き笑い)

 

母顕子は、娘のためを思って、

タイプ2の特徴に囚われてしまい、

娘に対して世話を焼きすぎる
干渉しすぎる

というやりすぎの状態になっており、

 

娘美月は、母を思って、

タイプ6の特徴に囚われてしまい、

母の期待に応えなきゃと思いすぎる
自分に自信がなく母に頼りすぎる

というやりすぎの状態になっていたんですね。

 

 

どんな人間関係においても、

やりすぎの状態が続いていると
問題となってきます。

 

しかも、そのやりすぎは、

本人にしてみれば、
よかれと思ってやっていることばかりなのです。

だから、
そのやりすぎに気付かないし、

うまくいかないと、
「もっとやらなくてはいけない」
と感じてしまうんです。

 

 

客観的に考えてみれば、

何かやってうまく行かなければ、
別の方法をやってみようと思うのが普通です。

 

でも、性格は、

うまくいかないと、
「やりかたが足りないんだ。もっとやらなきゃ!」
と思ってしまうんです。

 

そして、どんどんやりすぎて、

どんどん事態が悪化します。

 

 

だから、

親も、子も、

自分がどんなパターンに陥りがちなのかを知って、

それをやりすぎていることに気付いたら、

それをやめる

という選択ができるようになるのがいいのです。

 

 

それが、

親からしたら、子供を苦しめないことだし、

子からしたら、親から抜け出す1歩なんです。

 

 

 

 

母顕子と娘美月の結末は、

ハッピーエンドでした。

 

そんなこと、あるはずがないと思いますか?
ドラマの中だけのことだと思いますか?

 

でも、実際に、
良い関係性を取り戻した親子がいます。

 

この親子は、今とても幸せです。

だから、絶対に、うまく行くはずです。

 

 

ドラマだからなのではなく、

その関係性を良いものに戻したいと思う気持ちがあれば、
子供がどんなに大きくなっても、
遅すぎることはないと思うのです。

私は、確信を持っています。

 

 

 

なぜ、私がこんなことが言えるのかというと、

私と娘が、その幸せを取り戻した親子だからです。

 

私自身が、自分の思い込みを子供に押し付けていたからです。
私自身が毒親だったのだと思うからです。

娘は、私に反発して出て行ってくれました。

そのおかげで、私は気付くことができました。
松島のお母さんと同じです。

そんな私と娘のストーリーはこちら

 

 

始めるのに、遅すぎることはない

 

 

そんな言葉を聞いたことがあります。

 

やりすぎていた自分に気が付いた時、
娘との関係性を取り戻したい、そう思った時、

この言葉が浮かびました。

 

そして、その結果、

とてもすてきな関係性を取り戻すことが出来ました。

 

 

もし、今、

後悔しているのなら、
抜け出したいと思っているのなら、
まだ憎んでいるのなら、

そして、これから、

良い関係性を取り戻したいと思うのなら、

 

ご連絡ください。

きっと、お力になれると思います。

 

 

始めるのに、遅すぎるなんてことはないから。

 

 

 

 

 

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